インクルージョン(11/11改)
先日『フィンランドにおける特別ニーズ教育』という演題の研修会(講師:成蹊大学教授 牟田悦子先生)に参加しました。
フィンランドというと,私が連想することは,映画『かもめ食堂』と白夜くらいだったのですが,この国は実は,教育先進国だったのですね。
たとえば,3年に1回実施されているPISA(世界規模で実施されている義務教育終了段階の生徒の学力テスト)の結果は,過去3回連続世界一です。
フィンランドでは,教師は大変に尊敬される人気の高い職業で,小学校以上の教師になるためには,修士資格が必要。すなわち,教師は研究者でもあるわけです。
隣接するスウェーデンやロシアに支配された時代もあるのですが,1917年に独立しています。そして,なんと,国際経済競争力は世界第1位なんです。古くから行われている林業は有名ですが,最近では,携帯端末機の世界シェア1位を誇るノキア社がフィンランドの法人です。
あと,学校教育の中に「部活動」という概念がないことは日本では考えられないことです。尤も先生は研究者ですから,当たり前といえば当たり前。職員室というのは,お茶飲み場程度のものであり,授業時以外の時間,先生方は,各自に与えられた個人研究室に籠もって教材研究や自分の研究を進めています。
そして,国民性として平等を重視するわけです。これは約8割のプロテスタント(と1割強のカトリック)の影響があるのかもしれません。そして,この国の(特別支援教育を含む)教育の原則は,『インクルージョン』(障碍のある人もない人も同じ教育を受けるという意味)なのですが,この『インクルージョン』が本物のインクルージョンを実践しているらしいのです。
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