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2005年9月13日 (火)

中2代数の授業にて

jugyou 今日は授業中のエピソードを一つ書きます。中2の代数の授業,今日の小単元は「多項式の乗法」。たとえば,われわれが使っている昇龍堂の「新Aクラス中学代数問題集」には,例題として,(2-3)(^2+2-5)程度の問題が載っている。なおここで,^2は2乗のことです。(例えば,x^2はxの2乗のこと。3乗以上も同様に,^3などと記す) このあたりは,特に何か公式のようなものを知らなくても,一つずつ掛け合わせていけば済むので,例えば,この例題の場合,項数が2個の多項式と,項数が3個の多項式の積だから,2×3で6項に展開され,同類項をまとめ,2^3+^2-16+15という答を得ることができす。したがって,そんなに時間は配当せず,例題程度と,それより少し複雑な計算問題をさせて,次の「乗法公式」の小単元へ進もうと思っていた。

ところが,・・・

そのように進もうと思った矢先,「先生,(問題集のこの単元の)最後の問題,すごく面倒なのですが,普通にやるしかありませんか?」と質問された。僕の勤務校では,中1・中2の場合,こういうことはよくある。実は内心「待ってました」と思う。

その問題は,(a+0.5)(a-0.3)(a+0.8)-(a-0.5)(a+0.3)(a-0.8)というもの。まだ,乗法公式を教えていない(知っているだろうが)ので,単純に各項を掛け合わせる方法をとると,(項数が2項の式)×(項数が2項の式)×(項数が2項の式)-(項数が2項の式)×(項数が2項の式)×(項数が2項の式)=(項数が8項の式)-(項数が8項の式)となる。乗法公式を使っても,途中,(項数が3項の式)×(項数が2項の式)が2つ出てきてしまいかなり面倒である。さらにその二つが係数の符号が違うだけなので紛らわしい。それにこの問題が面倒くさいのは,定数が,0.5,0.3,0.8という小数だからである。数学的好奇心旺盛な中2の生徒が,「普通にやるしかありませんか?」つまり,「何かうまい方法はないのだろうか?」と思うのも当然。

こうした質問が授業中に出た場合,僕は,即座に答えることはまずない。「なるほど,誰かいい方法ないかなあ?」と逆に問う。そうするととにかくいろいろ出てくる。今回も,「小数をなくすために( )の中を全部10倍したらいい」とか,「小数を分数に変える」などという声があちこちから上がる。それで,手を動かして計算を始めるが,うまくいかないとわかると,また,他の方法を探り始める。5分以上考えたあたりで,「普通にやったほうが早い」という声が出始める。しかし,この問題を取り上げた3クラス(質問が出た以外のクラスは,こちらから取り上げた)中,2クラスで,同じ時間経過したあたりで,「a^3はなくなる」ということを言う生徒が現れた。これでしめたもの。あとは,「うん。そうだね。でも,それは計算する前に見た瞬間にわかるね。だって,aの3乗は,前半のa×a×aと,後半のa×a×aからできるのだけれど,それらが引き算されるのだから消える(0になる)の,見えちゃうよね」とこちらが言う。さらに,「他にもすぐにわかってしまうのは?」と聞くと,「定数」と帰ってくる。前半が0.5×(-0.3)×0.8=-0.12。後半が(-0.8)×0.3×(-0.8)=0.12。したがって,-0.12-0.12=-0.24。

ここまでくると,あとはa^2の係数とaの係数を調べれば良いとわかる。しかし,0.5,0.3,0.8という小数の数値をそのまま使っていくと間違えやすい。そこで,「この前の時間にやった文字に数値を代入して式の値を求める問題(=3,=-2のとき,2)-(2-3)の値を求める)を逆利用して考えよう。0.5=,0.3=,0.8=と書くことにして,a^2の係数とaの係数を考えた方が楽でしょう。文字のまま計算して,最後に値を代入して数に戻せば良いね」というと早い早い・・・。

元の式は,(a+)(a-)(a+)-(a-)(a+)(a-)となるから,a^2の係数は,前半の方がx-yで,後半の方が-xy-z。前半から後半を引くので,x-yz--xy-z)=2(x-y)。に値を代入すると,2(0.5-0.3+0,8)=2×1=2。この辺り,つまり,「x-y=1」と板書した辺りから,生徒の表情は,「うわっ,きれい!」という表情に変わってくる。これはどのクラスも共通。さらに,aの係数は,前半が-yzzxxy で,後半も同じ-yzzxxy 。だから,引き算すると0。つまり,aの項も消えることがわかると説明した。というより,もう説明途中で「消える,消える」という声が上がる。

こうすると非常に早く2a^2-0.24という答を得る。この方法は展開するときに,前から順番に( )をはずしたり,何か特殊な置き換えをしたりするのではなく,はじめから,現れる文字の項を考えて,個別に係数を計算していくという,普通は高校生(たぶん上級生)がやる方法である。また,「3次方程式の解と係数の関係」(もちろんそんな内容はまだ説明していない)にも通底している。こんな方法が偶発的に中2の授業でできてしまい,しかも,それを理解し,「あっ,この方法はいい!」と思える生徒たちの前で黒板に向かうのは,喜びであるが,常に緊張する。記・大矢正則

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コメント

私も、生徒さんと同じ中2です( ^ω^ )
今は連立方程式をやっています
むずいですよね〜(;ω;)

投稿: リヨン | 2012年4月29日 (日) 18時56分

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