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2005年11月 4日 (金)

横浜山手聖公会修復

051104  横浜山手聖公会の修復工事が終わり,今日,落成式と復興感謝礼拝が行われる(現時点では「行われた」)という記事が,朝日新聞朝刊の地方面に大きく載っていた。

ご存じの方も多いと思うが,横浜市の歴史的建造物にも指定されている,1931年創建,英国中世様式の美しい建物であった横浜山手聖公会の聖堂は,今年1月4日,放火によってほぼ全焼してしまった。私はこの悲しい事件を,勤務校の高1・高2生徒有志10名ほどと一緒に大阪・釜が崎越冬支援に向かう新幹線の車内テロップ・ニュースで知った。1月5日のことであった。

神奈川と静岡の県境を走るあたりで,そのテロップ・ニュースは不意に私の目に飛び込んできた。「横浜山手聖公会全焼」,「消火にあたった牧師負傷」。正月気分が抜けず,新幹線の車内で,ウトウトとしていた私は,この瞬間,全身に緊張感が走ったのを覚えている。

というのも,そのわずか10日あまり前,私は当時の中1生徒有志(希望者)8名と共に,横浜山手聖公会を訪れていたからである。

それは昨年の12月24日のことであるが,「中1聖書研究会遠足」として,横浜の中心部を代表する4つの教会を巡礼して回った。そのときの様子を記した『学園通信』を引用する。(拙文)

 12月24日。中1聖研のクリスマス企画として,横浜教会巡りを実施した。
 
クリスマスというと,派手な飾り付けや,デパートの商戦ばかり目につくが,イエス・キリストがお生まれになった場所は,暗い馬小屋。人々でにぎわう場所に,救い主イエスがお生まれになる場所がなかったからである。
 
そこで,街のクリスマスとは,ひと味違った(ひと味どころか全然違うのだが)クリスマスの迎え方を知ってもらおうと企画したのが,今回のクリスマス・横浜教会巡りであった。この日は部活可能日であったこともあり,参加生徒は8名と,やや少なかったが、内容は大変濃いものとなった。
 
午前10時半に関内駅に集合し,まず,二つの歴史のあるプロテスタント教会である横浜指路教会と横浜海岸教会を訪ねた。(中略)
 
続いてカトリック横浜司教館へと向かった。ここでは梅村昌弘司教様を表敬訪問する約束をしておいた。(中略)司教様は,(中略)笑顔で歓迎して下さり,司教職の任務のことなどをお話しして下さった。そして,カトリック山手教会の内部を非常に丁寧に案内して下さった。
 
山手教会のホールをお借りして昼食をとった後,横浜山手聖公会を訪ねた。私たちが教会前に到着すると,普段は閉まっている聖堂から,この教会の牧師である岡野保信牧師様が出てこられた。岡野牧師様もまた丁寧にわかりやすく聖公会のことをお話しして下さった。(中略)
 
この遠足で生徒たちが訪れてから,11日後の今年1月4日,横浜山手聖公会は火災によってほぼ全焼してしまった。生徒たちに親切にして下さった岡野牧師様も消火活動の際,火傷を負われたと報道された。心からお見舞い申し上げたい。

そして,私たちの学園でも,聖堂復興に役立ててもらおうとカンパを募った。折しもスマトラ沖大地震・インド洋大津波のための支援募金を全学的に行っていたため,当時の中1限定でカンパを呼びかけた。「呼びかけ人」は,遠足に参加した生徒と引率した教員であった。カンパ呼びかけの文書が手元にあるので引用する。

 正月のニュースでご存じの方もいると思いますが,『横浜山手聖公会』という教会が,1月4日,火災でほぼ全焼してしまいました。右下の写真(略)がそのときの様子です。
 ところで,この教会には,その11日前の昨年12月24日に,(中略)聖研遠足として,この学年の何人かの人が見学に行きました。そして,そこの牧師さんから大変親切にしていただきました。そのときの様子が,左下の写真(略)です。その牧師さんも,消火活動の際,火傷を負われました。
 そこで,聖研遠足に行ったメンバーで,そこの教会宛に寄せ書きを贈り,また,教会再建のために役立てていただこうという趣旨で,各自お小遣いの中から,カンパ(義援金)を集めることにしました。
 遠足に参加しなかった皆さんも,仲間が親切にしてもらった教会なので,援助に賛同してくれる人は,自分のお小遣いの中から,カンパ(義援金)に協力して下さい。(聖研=聖書研究会)

この呼びかけに同級生たちは,惜しみなく協力してくれた。私がみんなが出してくれた義援金を持って,横浜山手聖公会の岡野牧師を訪ねたのは,火災から一ヶ月ほど経てからだったと記憶する。義援金をお受け取りになった時の牧師様の手には,まだ消火活動の際に負った火傷の跡が生々しかった。その後,横浜山手聖公会からは,義援金に対する丁寧な礼状をいただいた。学年の教室の並ぶ廊下に貼りだし,生徒にも読んでもらった。また,義援金と共に,遠足に参加した生徒は,横浜山手聖公会およびその信徒の方々への寄せ書きを贈った。寄せ書きの中に,「復興がんばって下さい。また訪問させて下さい」という主旨のものがいくつかあった。

新聞の記事に寄れば,今回の修復工事は2度目であるが,戦後の混乱期に行われた1度目の修復工事より,ずっと創建時の姿を再現したものとなっているという。

是非とも,今ひとたび生徒と訪れたい場所である。

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