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2005年11月29日 (火)

難儀な時にするのが仕事

051129 タイトルの言葉は,下重暁子著『鋼の女』(集英社文庫 2003年)の中にある。この本は,最後の瞽女(「ごぜ」と読む)・小林ハルさんの伝記である。「瞽女」とは,三味線を弾き唄いながら,村々を巡った盲目女性の旅芸人のことで,文献上は室町時代には既にあったらしく,昭和初期までは,新潟県や東北地方の伝統芸能だったものである。ハルさんはその中で最後まで活躍した瞽女であった。1900年生まれの彼女は,生後100日で失明。6歳で瞽女に弟子入り。9歳からは旅芸人としての生活が始まった。それから,1973年目まで,三味線片手に村々を廻り,豪雪地帯の人々の娯楽の一端を担った。1978年に人間国宝となると,「瞽女と鶏は死ぬまで唄わねばなんね」の言葉の通り,再び瞽女としての活動を再開した。そして今年4月,105歳の生涯を閉じた。

厳しい母と厳しい師匠に育てられ,最後まで周囲の人からは「手のかからない人」と言われていた。

「瞽女と鶏は死ぬまで唄わねばなんね」と言っていたハルさんだが,「唄が楽しいなんて思ったことは一度もない。どの唄好きということもない」という。ハルさんにとって,唄は「生きることそのもの」だったのだろう。

『鋼の女』の女を読んでいて,今日のブログの表題の言葉がずしんときた。

「普通の時やるのは当たりまえ,難儀な時やるのがほんとうの仕事」

僕は「ほんとうの仕事」をどれだけできているのだろう?---と自問している。

「いい人と歩けば祭り,悪い人と歩けば修行」

これもハルさんの言葉。沁み入る。

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コメント

>「普通の時やるのは当たりまえ,難儀な時やるのがほんとうの仕事」
うわー
それは苦しいですね
ということは今の病気の状態でするのが本当の仕事なのかなぁ?

投稿: maria michaela | 2005年11月30日 (水) 13時26分

>>maria michaelaさん
いつも読んで下さってありがとうございます。
>ということは今の病気の状態でするのが本当の仕事なのかなぁ?
とのことですが,
今の病気の場合は,仕事をするのはストップですよ!
それから,気晴らしも逆効果ですよね。
教会へ行く回数をちょっと前に言っていたけれど,
「決めないこと」が一番です。
僕が
>「普通の時やるのは当たりまえ,難儀な時やるのがほんとうの仕事」
を引用したのは,
小林ハツさんの生き方・人生を象徴している言葉だと思ったからです。
健康なときには自分を励ます言葉になりますが,
病気のときには,
「は~,偉いなあ。でも,今の自分には出来ないなあ。」で良いと,僕も思います。

投稿: ct(MAGIS管理者) | 2005年11月30日 (水) 18時10分

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