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2006年1月19日 (木)

シスター江角ヤス

私はカトリックの中高一貫校で数学の教師をしているカトリック信者ですが,全国のカトリック学校には,数学を教えているシスターもおられます。尤もその数は英語や国語に較べるとかなり少なく,当然シスターですから女子校の教壇に立っておられる方が多いです。
ところで,純心学園というカトリック学校があります。この学校は,数少ない「国産の修道会による」カトリック学校です。現在は,長崎,鹿児島,東京で学校を経営しています。その純心学園の創立者・江角ヤス先生は数学がご専門でした。(大矢正則 記)

シスター江角は,もう20年以上前に帰天されています。そして,江角先生は自分で書いたものをあまり残しませんでした。しかし,数学と信仰に関することを雑誌に2度ほど書いておられます。2度ともフィボナッチ数列(どんなものかは後述してあります)を取り上げておられ,1回目は昭和2年で,『聲』という雑誌の10月号に書かれています。東北帝大大学院数学科を修了された翌年のことで,京都府立第一高等女学校の教壇に立っておられた頃のことです。2回目はそれから半世紀近く後の昭和45年に『婦人之友』(2月号)に,ほぼ同内容のことを書かれています。(なお,これら2つの掲載は,長崎純心聖母会発行の『江角ヤス学園長先生追慕の記』に収録されています。後の引用もそれによりました。)さて,江角先生が雑誌で語られたフィボナッチ数列とは,0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,・・・・・のように相隣り合う二つの数を加えて(たとえば,八番目に現れる数13は,その前と,前の前にある数8と5を加えたものです。同様に,九番目の21は13と8を加えたものです。)得られる数列です。12世紀頃のイタリア人数学者レオナルド=フィボナッチが発見したといわれるこの数列は,実に不思議な特徴をもっています。
一つは,その現れ方です。この数列は自然界,特に生物の世界において,おおよそ予期しないところに現れます。詳しく書くと長くなりすぎますが,マツボクリの巻き方やネコヤナギの葉の付き方などにフィボナッチ数列が現れます。(植物が数を知っている!?)
このような不思議なことに,江角先生は強く惹かれたご様子です。『婦人之友』昭和45年2月号から引用しておきたい思います。

自然界を深く見れば見るほど,人知,人力の及ばぬことの多いのに気がつく。
炎熱の下に,雄々しく咲きほこるヒマワリの花,その花のすぎたあとの醜い残骸にのこる,種子の配列について,大方の人々は何も心にとめないけれど,私には,それが,私の四十年にもなる修道生活に,どれほど大きな支えとなったことか。
一夏,私の庭に咲き出したヒマワリの花は百を越したけれども,(中略),みんな次の三つのどれかであった。
Ⅰ左むきには21行   右向きには34
Ⅱ左むきには34行   右向きには55
Ⅲ左むきには55行   右向きには89

江角先生は,ここに現れる数21,34,55,89はすべてフィボナッチ数列に登場する数になっていることを紹介され,さらに,フィボナッチ数列に潜むもう一つの不思議で美しい特徴について語られます。

フィボナッチの数列は面白い性質をもっている。二つの数の比,21÷34,34÷55,55÷89・・・・・の値は,先に行くほど,R=0.618033988・・・・・に近くなる。このRの値こそは,昔から黄金比といわれて,美学上最も美しい調和を持つ比とみなされているもので,縦横の割合が,Rに近いほど美しい形の矩形が出来るとされている。昔聖書を,縦横の長さが,黄金比を持つように作ったといわれている。

このように,フィボナッチ数列のもう一つの特徴である,人間の美的感覚との関連に言及されたあとで,さらに,「マツカサも,パイナップルも,マーガッレトも,みなフィボナッチの数列の一組である。」と書かれ,続いて神の摂理について説かれた聖句をマタイ福音書から引用しておられます。

野の花がどのように育つのか,注意して見なさい。働きもせず,紡ぎもしない。しかし,言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ,この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて,明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ,神はこのように装ってくださる。まして,あなたがたにはなおさらのことではないか。
   (『マタイによる福音書』6章28節途中~30節途中)

さらに,『婦人之友』の同じ稿では秘められた神の愛について次のように書いておられます。

同じ雨水を吸いながら,一つはブドーに,一つはミカンに。あらゆるものが神の存在を語りかけているのに・・・。物質界でさえそうならば,精神界ではもっともっと深い摂理が働いているのではないかしら。
私たちがこの世の旅をつつがなく終え,罪を浄められて,至福直観のみくにに入ったときには,この世で秘められた神の愛を(真,善,美を),限りなくきわめられるであろう。

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コメント

【 秘められた神の愛 】

マジス様より、メッセージをいただき、
まさに、その夢のごとく・・・ です。

好いユメに包まれて・眠れそうです..
ありがとうございました。

投稿: SEPlA. | 2006年1月20日 (金) 00時02分

訪問ありがとうございました。
ちょっと事情があって、コメントにレスできなくて申し訳ないです。
ですので、こちらに遊びにきました。

カトリックの学校にお勤めなんですね。
私はプロテスタントですが、カトリックにも興味があります。
私のブログにも、カトリックの方々がよく来られます。
また時々訪問させていただきますね!

投稿: しらたま | 2006年1月20日 (金) 19時08分

>>sepiaさんへ
こちらの方へのコメントありがとうございます。
好いユメに包まれて眠れたのなら良いのですが(^.^)

投稿: ct(Magis) | 2006年1月20日 (金) 21時04分

>>しらたまさん
しらたまさんのブログHAPPY HAPPY DAYS,
とても気に入っています。
なので,このブログのブックマーク(ブログの輪)に加えさせていただきました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: ct(MAGIS) | 2006年1月20日 (金) 21時14分

こちらもブックマークに加えさせていただきます。
カトリックの方にも、プロテスタントの方にも読んでいただけたらいいなと思っています。

投稿: しらたま | 2006年1月20日 (金) 21時33分

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