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2006年3月15日 (水)

敵から自分を守ろうとしないで・・・

060315 バーナード・ベンソン著『平和の本』の邦訳はすでに絶版で現在入手が困難な本である。1984年にYMCA出版から発売された。私の手元にあるのは第1刷だが,その後,いつ頃入手困難になったのかよく分からないが,最近までたまにキリスト教関連書店で見かけたような気もする。

この中に次のような場面が出てくるが,私はこれを読んだ1985年以来,ずっと覚えている。(119ページ)

一人の少年が大国の大統領に次のように言う。「平和がずっとつづく秘訣がいったいなんだか知りたくありませんか,大統領?・・・

・・・それは,
僕たちが敵から自分を守ろうとしないで,僕たちの方から敵を守ろうとするんです!」

この後,大統領は「おもしろい考えだね・・・」と皮肉っぽく言う。しかし,「自分を守らず,敵を守る」という一見愚かな行動が,実は最も賢い行動なんだと,これを読んで以来,ずっと確信しています。

先日,「ボランティアの義務化」に関するディベートを生徒と行ったとき,「ボランティアとは何か」をきちんと定義しておかないと,この考えは「(国防をボランティアと考えれば)兵役の義務化に繋がりかねない」という考えが出されました。もちろん,そんなことに,私は賛成できませんが,もし私たち(私のようなオッサンまで駆りだされたらそれこそエライこってすが)が間違って戦場に置かれたら,全世界の兵隊さんが,自分を守らず敵を守ればいいのです。

そんな戦争ならいつまでも続けていたいです

なお,この本には前教皇ヨハネ・パウロⅡ世が推薦のことばを書いています。引用します。

私は世界の人びとのひとりひとりが,この『平和の本』の少年に心をひらくことを願ってやみません。

アーメン!

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コメント

ct(MAGIS)さんへ
「僕たちが敵から自分を守ろうとしないで,僕たちの方から敵を守ろうとするんです!」この言葉いいですね。
具体的にはどうしたらいいのだろうか。上杉謙信みたく「敵に塩を送れ」ばいいのかな。

これを聴いて思い出したことがあります。どこかの本で読みました。
「キリスト教では『汝の敵を愛せよ』ですが、仏教では『汝の敵を作るな』なんですって」
敵味方の西洋的二分法ではなく、「敵も味方も一緒」という東洋的な考え方かもしれません。

これも別の本で読んだこと。
「敵の中に味方を」という考え方もあります。これは逆に言えば「味方の中に敵あり」ということになってしまうかな?
これは戦国時代の「調略」の考え方になってしまうかも。

投稿: mrgoodnews | 2006年3月16日 (木) 01時24分

>>mrgoodnewsさんへ
なかなか奥深いコメントをありがとうございます。
なるほど「敵に塩を送れ」ば良いわけですね。

投稿: ct(MAGIS) | 2006年3月16日 (木) 17時51分

良いお話ですね。平和というと戦争のお話と思いがちですが、このお話は人間関係にもあてはまると思いました。人に対し、自分だけを守るのでなく、無防備になるのでもなく、相手を守ろうとすれば、きっと良い人間関係が築けると思いました。

投稿: さかば | 2006年3月17日 (金) 21時20分

僕たちが敵から自分を守ろうとしないで,僕たちの方から敵を守ろうとするんです

・・・・・・
なんて、美しい、なんて自然な提案だろうとおもいました。
防御のポーズは敵に自分はこいつの敵なんだと再認識させる。敵だと思っていた人物に不意に「貴方を守る」姿勢を見せられたら・・・。
ほわっと心がほぐれるでしょうね。争いはなくなりますよね。

投稿: piyo | 2006年3月18日 (土) 20時45分

>>さかばさんへ

いつもコメントありがとうございます。

>このお話は人間関係にもあてはまると思いました。人に対し、自分だけを守るのでなく、無防備になるのでもなく、相手を守ろうとすれば、きっと良い人間関係が築けると思いました。

そうですね。本当に。
ただし,お互いがそのように思っている場合は簡単なのですが,
こちらだけ,(もしくは相手だけ)がそう思っている場合って,かなりのストレスになりますよね。
しかし,それをやってのけたのが,マザー・テレサのような人なのだと思います。

投稿: ct(管理者) | 2006年3月19日 (日) 11時00分

>>piyoさんへ

東京出張楽しんでこられたようですね。
帰宅後早速のコメントありがとうございます。

>なんて、美しい、なんて自然な提案だろうとおもいました。

そうなんですよね。
実にシンプルで自然な(というか,無理のない)提案ですよね。
しかし,人間は,この単純な原理に気づかずにいます。
また,気づいても,なぜだか忘れてしまいます。
きっと,闘争本能というのもあるのでしょう。
しかし,どれが大事かを見極められる知恵もまた天賦されていると信じたいです。

投稿: ct(管理者) | 2006年3月19日 (日) 11時07分

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