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2006年5月12日 (金)

高1ゼミ『自分とつきあう』(その2)

昨日は高1ゼミでやっている内容を書こうというところで睡魔に襲われてしまいました。
今日は,第1回目のゼミ(4/26)でやったことを書きます。

高1ゼミは毎週水曜の6時間目。私のコースは高1Aの普通教室が割り振られました。
始業ベルと同時に教室に私が入ると,受講者の3人は最前列に並んで座り,きちんと瞑目していました。
私の学校では,全部の授業で開始時と終了時に瞑目が行われていますが,
初めてゼミを持つ私は,「ああ,ゼミでもちゃんと瞑目しているんだなあ」と感心しました。
最前列に並んで座っていたこと,瞑目をしていたことで,私は受講メンバーのすばらしさを直感し,
「あっ,このゼミはきっとうまくいく」と思いました。

しかし,考えてみれば,私は楽天家なのかもしれません。
一対一のカウンセリングも少しだけやったことがある(仕事としてです)し,
集団的・予防的カウンセリングであるSGEも150人くらいの集団を相手にやったことがあります。
(一度,一人で180人を相手に2時間のプログラムをやりましたが,
これは失敗だったので,やったことにはならないですね~。)
けれども,3人という人数は初めてやっています。
なのに,「きっとうまくいく」と思ったのですから。

さて,3人といえども,グループですから,なんらかのラボラトリー・メソッドを取り入れようと考えました。
ラボラトリー・メソッドとは,「研究されたグループ・プロセスの手法」とでも訳せば良いのでしょうか。
しかし,今回は,たとえば「構成的」にするとか,「ベーシック」にするとかに囚われず,
フレキシブルに対応していきたいと考えています。

それで,第1回目ですが,
まず,次のような大原則を3人(私も入れて4人)で了解しました。

「ここでの話は,ここだけの話にする」

これは私が考えているグループ・プロセスではすごく重要なことなのです。
なぜならグループ・プロセスは,カウンセリング的な側面が大きいからです。
やり方によってはカウンセリングそのものになります。
カウンセリングでは守秘義務は当然。
これがなければ安心して自己開示することはできません。

そう,いま自己開示と書きましたが,このゼミ『自分とつきあう』では,
自己開示がとても重要です。
人は自己開示することによって,初めて自分と向き合うことができるからです。
かといって因果律ではありません。
自分と向き合うことと自己開示することは親戚関係にある感じと言えば良いのでしょうか。

次に,
「ここでの話は,ここだけの話にする」という外に漏れない保証ができても,
グループ内が緊張していては,なかなか自己開示は進みません。
そこで,アイスブレイクの出番です。
アイスブレイク(氷解)とは,この場合グループの緊張をほぐすことを言います。
体験学習型のグループワークでは必ず行われます。
これをやらないとグループ・プロセスは(必ずと言っていいほど)失敗します。
理由は,

  1. 緊張状態が続くうちはグループ・プロセスが機能しない。
  2. 思わぬこと(何らかのアクシデント,食事後など)で急激に緊張が緩み,その後のワークもグループ・プロセスが機能しない。
  3. 個人によって緊張の度合いやほどけ具合に差が出て,やはりグループ・プロセスが機能しない。

などが挙げられます。また,アイスブレイクの方法は,

  • メンバー同士が知り合うこと
  • 体をほぐすことによって緊張を解く
  • 簡単なウォームアップ・エクササイズをしながら緊張を解く

などが挙げられます(堀公俊『ファシリテーション入門』日本経済新聞社 2004年 82~83ページ参照)。
構成的グループエンカウンターでは,これらをリチュアル(儀式)と呼んでおり,それぞれに,すぐれたショートエクササイズが実践されています。たとえば,『いろいろ握手』,『肩もみエンカウンター』,『ジャンケン列車』などが代表的なのもです。

さてそこで,前述の「ここでの話は,ここだけの話にする」という了解を申し合わせた後の時間はアイスブレイクに割きました。体をほぐしたり,また,ゲーム性のある簡単なエクササイズをするような雰囲気でもなかったので,私を含めた4人が良く知り合えるような方法を採りました。ここでは私はファシリテーター兼メンバー(プレイングファシリテーター)として動きました。40分くらいの時間があったので,次のような方法を採りました。

  1. これまで自分が生きてきた中で,自分に最も影響を与えた人物について話す。
  2. これまで読んだ本で,影響を受けた本を3冊以内,みんなに紹介する。

この2つです。まず,1について,私から始めて順番に話し,それが終わったら,2について,私から始めて順番に話しました。技術的なことを付け加えると,1について一通りみんなが話し終えたら,2をやってもらうことをみんなに言います。これは二ついっぺんに言うよりも,一つ一つを告げることにより,集中力と「今,ここで」の気づきを大切にするためにそうするわけです。グループ・アプローチってそういうところが大事なのです。

なお,ここで2つのルールを作りました。

一つは,「他人がしゃべっているときは,聴くだけにする」こと。たとえば読んだ本が同じだと「あっ,僕も読んだ」とか言いたくなってしまうけれど,そのときは,言わない。ただ,聴く。ただし,聴くのと黙っているのは違います。話し手が聴いてもらえているなあというような態度をとることがルールです。話し手を見て,小さく頷いたり,小さな声で,「ふん,ふん」と言ったりするわけです。

二つ目のルールは,「いま話せる範囲内で話せばよい」ということ。したがって,パス(通過)することも可能です。

最後に短くシェアリングをして,終わりにしました。

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コメント

ct(MAGIS)さんへ
なかなか面白いゼミのスタートです。これはまさに「わかちあい」なのですね。
ゼミは3人でも開講されるところがうらやましい。わたしのところは5人以上集まらないと成立しないのです。
私は今年も「飛行物体の研究」というゼミを開設すべく準備をしています。でも5人以上集まるかどうか、ちょっと不安です。
それはともかく今後男子生徒がこれをどう受け止め、発展させるか、楽しみにしています。「これはきっとうまくいく」という予感はきっと的中することでしょう。私も予感できます。

投稿: mrgoodnews | 2006年5月14日 (日) 01時18分

>>mrgoodnewsさんへ
コメントありがとうございます。
>これはまさに「わかちあい」なのですね。
そうだとは思いますが,最近,「わかちあい」と言う言葉が,意外なところで使われ始めており,誤解を避けるために,私はCLC以外では,この言葉をなるべく使わない方向になってきています。
むしろ,グループ・プロセスと言った方が良いのかな(こっちのが良くわからないので)と思っています。
>今後男子生徒がこれをどう受け止め、発展させるか、楽しみにしています。
そうなんですよ。このテーマ,僕はゼミという形なら女子校ではできなかったと思っています。
講義ならやれますが。
>「これはきっとうまくいく」という予感はきっと的中することでしょう。私も予感できます。
今週は,晴れたら,外で,五感を使って感性への気づきを体験させようと思います。
雨ならTAです。

投稿: ct | 2006年5月15日 (月) 08時23分

こんにちは。鳴門教育大学大学院へ現職派遣されている教員の岩田将英というものです。
現在、構成的グループ・エンカウンターを修士論文のテーマに研究を進めています。
本研究の貴重な資料として、エンカウンターを実施されている現職の先生方にアンケートをお願いできればと考え書き込みをさせていただきました。
インターネット上で12問程度の質問をさせていただきます。所要時間は数分から10分くらいです。
子どもたちのため、構成的グループ・エンカウンターの発展ため、ご協力いただけたら幸いです。
どうぞご検討くださいますようお願い申し上げます。※ささやかではありますが、謝礼(Amazon.co.jpギフト券)を差し上げます。

投稿: 岩田将英 | 2006年8月24日 (木) 16時00分

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