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2006年7月22日 (土)

主体性の回復~mixi疲れから心理学を考える?~

「mixi疲れ」を心理学から考える
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060721-00000069-zdn_n-sci
という記事が7/21のYahooに載っていたので読んだ。

たとえば,「私は朝起きることができない」とか,「私はお酒をやめることができない」など,「私は○○ができない」と考えて,クヨクヨしたり,落ち込んだり,自己嫌悪に陥ったりすることがあるでしょう?「私はmixiを5分たりとも見ずにいることができない」などという人もいるでしょう。
まあ,自己嫌悪に陥るくらいで留まれば良いのですが,あまりそういう思いにとりつかれていると,病理の側面も出てきます。

とにかく大事なことは,無理をせずに休むことや,「早めに弱音を吐くこと」だと思います。そうすれば,上記リンクの記事中にあるような,「多くのマイミクと交流している人が、コミュニケーションに疲れ切ってmixiを突然辞めてしまう」なんてことは減るのだと思います。

さて,こんな抽象論を書いたところで意味ないですね。そこで,今日は私は知っている「主体性回復のワーク」を紹介してみます。

このワークは,まず,日頃から自分が,いけないいけないと思いながらも,ついついやってしまう日常的な行動を数個(3つ~5つくらい)書き出します。なるべくさらっと書いてしまいます。たとえば,

「私は毎日タバコを吸いすぎてしまう」
「私は部屋を片付けられない」
「私は昼夜逆転の生活になってしまう」
「私は外出できない」
「私は八方美人になってしまう」

(ことわっておきますが,これは例です。実際の私は嫌煙家です。お酒は好きですが)

こんな具合に「私は○○することができない」あるいは「私は○○してしまう」という文型で
日常,自分でも,あまり好ましいことではないなあ,やめたいなあと思っていることを書き出すわけです。

書き終わったら今度は,これらの文章を「私は○○している」あるいは「私は○○していない」という文型に書き直します。上の例でいえば,

「私は毎日タバコを吸いすぎている」
「私は部屋を片付けていない」
「私は昼夜逆転の生活をしている」
「私は外出しない」
「私は八方美人をしている」

という具合に書き換えるわけです。
このように書き換えたことによって,急にタバコやお酒や八方美人がやめられたり,機嫌を悪くすることがなくなったり,読書習慣がついたりすることは,もちろんありません。

しかし,自分の思考と行動の主従関係は逆転します。
換言すると,良いか悪いかは別として,自分がその行動を選んでいることを,自覚することができるのです。自分でも良くないと思っている行動を,選び取っているのも自分だと気づくわけです。これを「主体性の回復」と呼びます。
そして,この主体性の回復こそが,悪い習慣改善の第一歩となります。
なんだか「悪い習慣の改善の第一歩」なんて書くと道徳的な感じがして嫌ですが,
心理的にいえば「主体性の回復」によって気が楽になるのです。
気が楽にならないと,心的経験は停滞します。気が楽になり,
「ああ,”今”こういうことを選んでいるのも自分なんだ」と思えるようになることは,最も大事な自己受容の一つです。

この主体性の回復によって気が楽になること,ある意味で,他のせいや被害者意識の超克。これこそが,自己を成長さるものだと人間性心理学では言われています。

悪い習慣や,そこから派生する自己嫌悪,さらには病理にまで至ってしまっている場合,それらを改善することは,もちろん容易なことではありません。しかし,諦めることはありません。ゲシュタルト心理学を応用したこのワークは,自分一人でもできるセルフ・カウンセリングなので,是非お勧めします。

カール・ロジャーズが次のようなことを言っています。060722_1

「面白い逆説なのですが,私が自分のあるがままを受け入れることができた時,私は変わっていくのです。私たちは,自分の現実の,そのあるがままの姿を十分に受け入れることができるまでは,決して変わることはできません。」(諸富祥彦『カール・ロジャーズ入門 自分が”自分”になるということ』コスモ・ライブラリー 1997年)

まずは主体性を取り戻すこと---引用したロジャーズ風にいえば,自分のあるがままを受け入れること---ができたとき,自分に変化が生じることを私は信じています。でも,その場合でも,あまり劇的な変化はアテにしない方がいいです。少しずつ自分が受け入れられたとき,ちょうど,薄皮を剥がすように,新しい自分と出会っていくのだと思います。自分を投げ出さずに,ノラリクラリといきたいものです!

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コメント

「私は毎日インターネットをしすぎてしまう」
「私は仕事が出来ない」
「私はお人よし過ぎる」
「私は外出できない」
「私は心の中で悪い事ばかり考えている」

・・・こんなところでしょうか(;^_^A

投稿: maria michaela | 2006年7月23日 (日) 10時18分

 マジスさん、こんにちは。
 「mixi疲れ」の記事、「主体性の回復のワーク」について、読ませていただきました。mixi依存については、登録する前から考えていました。私が友人の紹介から登録するまでに半年以上かかっているのもそのためです。こういうものにはハマりやすいので…。私も気をつけます。
 そして「主体性の回復のワーク」ですが、「思考と行動の主従関係の逆転」、「その行動を選び取っているのは自分であることに気付く」ための作業というのは、なるほど!と思いました。私の好きな言葉のひとつで「この世でもっともすばらしいことは、自分は自分のものだと知ることである」というものがあります。自分のとらわれから自由になるための鍵になる言葉だな、となんとなく思っていたのですが、そう思えた理由が今日やっとわかりました(笑)。ありがとうございます。
 それでは、また来ます。失礼致します。

投稿: misa | 2006年7月23日 (日) 15時05分

>>maria michaela

では,主体性回復ワークをしてみましょう。

「私は毎日インターネットをしすぎてしまう」
→私は毎日インターネットをしすぎている

「私は仕事が出来ない」
→私は仕事をしないことにしている

「私はお人よし過ぎる」
→私はものすご~くお人よしにしている

「私は外出できない」
→私は外出しないことにしている

「私は心の中で悪い事ばかり考えている」
これは元が「私は心の中で悪い事ばかり考えてしまう」
だと思います。これを言い換えると
→私は心の中で悪いことばかり考えている
となり,元の文に戻ります。

このワークによって主体性が100%になることはありませんが,少なくとも主体性に気づくことはできます。
それが,このワークの良さです。

投稿: ct | 2006年7月24日 (月) 00時05分

>>misaさん

初めてのコメントありがとうございます。
随分とよく私の記事を読んで下さったことに感謝いたします。

misaさんの好きな「この世でもっともすばらしいことは、自分は自分のものだと知ることである」という言葉,素晴らしいですね!教えて下さってありがとうございます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: ct | 2006年7月24日 (月) 00時08分

な、なるほどーーーーーーー。
かなり興味深かったです。さすがマジス先生!
なんかついインターネットしすぎたりする時って、
知らないうちに時が過ぎ去っちゃったりしていることが多いですよね。
(今もそうかも)
それって自分が「今私はインターネットをすることを選んでいる」という自覚がないことの現われなんだなと思いました。

というわけで、もう寝ます(笑)
来週もがんばっていきましょーー☆

投稿: こもりや | 2006年7月24日 (月) 01時54分

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