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2007年1月17日 (水)

何かが無い

阪神淡路大震災から12年。
勤務校で私が担当している学年では,
週一回のホームルームを,
今週から3回続けて,阪神淡路大震災をテーマに学年で取り組んでいます。
今週(昨日)は,
当日(1995年1月17日)の午後11時以降のNHK総合テレビのニュースを録画し続けた先輩教員からビデオをお借りし,それを視た。
地震報道が一段落したあとのNHK特集や一昨年の10周年を契機に放送された番組のアーカイブにはことかかなかったのだが,
あえて,当日夜のニュースをそのまま視せた。
番組中では,まだ(名付けられていなかったので)「阪神淡路大震災」とは言っていない。
「兵庫県南部地震」と伝えている。
夜11時から翌未明2時前までの約3時間わたるNHKの報道画面を,
重複部分を早送りしながら視た。
同僚教員が,災害そのものの恐怖や対策について話した後,次に私が
生徒たちに,こう問いかけた。

「約12年前の報道番組を視たわけだけれど,
今と決定的に違う点があるのだけれど,なんだかわかる?」

答えられる生徒は誰もいなかった。

答として,私はまず「報道する側に女性が一人も登場しなかったこと」
と伝えた。
生徒たちの反応は,「あーあ(なるほど)」というものだった。

さらに私はこう話した。
「当時,政府が招集した緊急災害対策本部(名前は不正確かもしれません)には,
女性がいなかったか,いたとしてもまったく発言権がない立場だったと聞きました。
そのため,地震直後の避難所で,女性は特別に困ったことがあったそうです。
支援する側に女性の視点がなかったからです。この教訓から,以後,(国の場合も地方自治体の場合も)緊急時の対策本部には,必ず一人は女性を入れるようになったそうです。」

こういったことは,男子校では,絶対に伝えるべきです。

ところで,先週,「国立女性教育会館」というところに研修に行きました。
時期が時期だったので,そこの職員の女性が,その点について触れ,
「緊急対策本部には必ず一人は女性を入れるようになった」ことを強調していました。

えっ,何で半分じゃあないの?
人口の約半分が女性なのに・・・。
と言いたいところですが・・・。

「国立女性教育会館」(独立行政法人)。
なんだかおかしな響きを感じます。

「国立男性教育会館」。
あり得ないですからね。

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コメント

おっしゃる通り女性の目は必要ですね。衛生面での困惑も
あるでしょうが、小さい子を育てる「お母さん」は瞬間瞬間が、
ある意味「戦い」だったかも知れません。

そう言えば田中康夫さんがずっとボランティアをされていましたが、
彼は女性に化粧品を配っていたそうです。「寝食」も大切ですが、
それと同じくらい一本の口紅が心の安定には大切だったのだと
思います。

マジスさん、具体的な教材を使って、すばらしい教育をされて
いるんですね。

投稿: みちる | 2007年1月18日 (木) 07時16分

女性の視点・・・わかる気がします。

今通っている自然学校の講座も、事務局のサブには女性がいますが、
メインの事務局とアクティビティごとの講師は、男性でした。

月によっては終日トイレもない場所での野外活動などもあり、
そのとき感じた気持ちや疑問を女性スタッフに話したことがありました。

最近は、そういうアクティビティの月は、事前に
「男性スタッフに相談しにくいことがあったら
気軽にどうぞ」と声をかけてくださるようになりました。

何もなくとも、そういうかかわりがあるだけで安心します。

投稿: もー | 2007年1月18日 (木) 08時28分

あの震災は社会人1年目の冬でした。神戸で働いていたのでいろんなことを思い出します。

先日久々に神戸に出たときに、当時働いていたビル(震災で半壊し後に解体)があったところを通りました、新しいきれいなビルが建ってました。しかし大切な人をなくされた方々の心の痛みは、まだまだ癒されないでしょうね。

水や食料は比較的早い段階で入手できるようになっていましたが(場所によってはそれすらもなかなかままならなかったようですけれども)、生理用品がない、という声は、本当によく聞きました。

また仮設トイレが排泄物であふれてしまって、せまいトイレの中が異臭と汚物であふれていたことが強烈な印象として残っています。
仮設トイレは設置できたけれども、汚物の汲み取りにまではなかなか手が回らなかったんだと思います。

そういったことも、大事な教訓として、活かしていってほしいと思います。

>こういったことは,男子校では,絶対に伝えるべきです。

本当にそうですね。ctさんの試み、すばらしいこと、そして大切なことだと思います。


メインテーマのジェンダーに関しては、教育の場での地道な啓蒙ってのが一番大事だと思いますので、ctさんがなさったような活動を学校でも家庭でも積み重ねていくことが大事だと思います。

我が家でも、ささやかながら、休日にはボクが台所にたち(平日だって時間があれば、子供らの朝食を作ったり、食器洗いくらいはします)、洗濯や取り入れもし、「男家事は女性がするもの」というスタイルが"唯一のものではない”ということを子供たちに知ってもらおうと思っています。

ベネッセ(旧福武書店)の、幼児教育教材「こどもチャレンジ」(しまじろうのキャラクターで有名です)の絵本(テキスト)でも、お父さんが積極的に家事育児にかかわる姿がよく描かれています。女性社員が多いベネッセらしい工夫だと思います。

少しずつ少しずつ、変わっていくと思います。あきらめなければ。

長々と失礼しました。

投稿: いっちゃん | 2007年1月18日 (木) 10時03分

こんにちは。

 >「緊急対策本部には必ず一人は女性を入れるようになった」
 
  12年経ち、それでも一人ですか・・。 毎週月曜日に放映されている若い子に人気のあるテレビ番組「あいのり」を子供たちと一緒に見ています。 ちょうど今週はノルウェーへの旅でした。ノルウェーは、世界一の男女平等国だそうで、内閣18人のうち、9人は女性。
   これは「クオーター制」~公的委員会ではどちらかの性別が40%以下になってはならないという制度があるからだそうです。
   女性に対する意識の低さどころではなく、逆に男性の力をも問われているということですよね。男女、関係なく人間としての視点で考える。
   バラエティ番組でもさりげなくこのような情報提供があり、マジスさんのような教育があり・・これから世に出る子供たちにとって、素敵なことだと思いました!

投稿: しおん | 2007年1月18日 (木) 12時58分

不思議ですよね、この世には男か女かどちらかしか居ないのに、いつでも「どちらか」に偏るという考え方や見方になっちゃいますよね。
私の生業である鍼灸の学問の中に、「陰陽」という言葉があります。物事はいつでも相対的に成り立っていて、片方だけではあり得ない。たとえ視点をどちらかに傾けても、その中からまた陰と陽を見出していくんです。だから永久に物事は一つというだけではとらえないのです。こういう視点が日常的にもっとあれば双方とも生きやすく、もっと分かり合えると思うのです。男女があって初めて世界は成り立っているのだという事が、
自然に取り入れられる事を願わずにはいられません。

投稿: chika | 2007年1月19日 (金) 12時11分

>>みちる様

>「寝食」も大切ですが、それと同じくらい一本の口紅が心の安定には大切だったのだと思います。

こういった発想は(大多数の)男性からは絶対出てきませんからね。
みちるさんのコメントから女性の視点の大切さを改めて教えられました。

投稿: ct(Magis) | 2007年1月19日 (金) 20時34分

>>もーさんへ

>月によっては終日トイレもない場所での野外活動などもあり、
そのとき感じた気持ちや疑問を女性スタッフに話したことがありました。

それは女性同士でなければできない会話ですね。

>「男性スタッフに相談しにくいことがあったら
>気軽にどうぞ」と声をかけてくださるようになりました。
>何もなくとも、そういうかかわりがあるだけで安心します。

本当に仰る通り。
逆に男性側も言いづらいものなのですよ。
仕事柄,長時間の面談をお母様とすることがあるのですが,
終わったあと,「トイレはこちらです」とは言いづらいし,
仮に言ったとしても,お母様が「ああ,そうですか。では行ってきます」とは言えないでしょう?
そうすると,言わないことの方が寧ろ(必要ならばご自分で探していかれるでの)親切なのでは・・・と,思うのですよ。


投稿: ct(magis) | 2007年1月19日 (金) 20時41分

>>いっちゃんさん

そうでしたか。
いっちゃんさんは,阪神淡路大震災を体験されていたのですね。
コメントから当時の保健・衛生状態の惨状が伝わってきました。
また,ご家庭でも既成のジェンダー概念からの解放を心掛けて
ご家族と接しておられるとのこと,敬意を感じます。

「こどもチャレンジ」の”しまじろう”!
いや~,懐かしい響きです。

投稿: ct(MAGIS) | 2007年1月19日 (金) 20時49分

>>しおん様

ノルウェーの「クオーター」制のお話をお聞かせいただきありがとうございます。
日本も,他国から,見習ってもらえるような国になれば良いのですが・・・。
残念ながら,たとえば教育基本法の改正?
「庁」の「省」への格上げなど,
諸外国の方向性とは解離する方向へと動き始めてしまいました。
米国と共に。

投稿: ct(MAGIS) | 2007年1月19日 (金) 20時57分

>>chikaさんへ

>たとえ視点をどちらかに傾けても、その中からまた陰と陽を見出していくんです。

これを原理とするかしないかによって,
生き方も世の中も違ってきますよね。

>男女があって初めて世界は成り立っているのだという事が、
自然に取り入れられる事を願わずにはいられません。

本当に,その通りだと思います。
同時に,自分の性(の同一性)に悩んでいる人の存在も見落としてはなりませんね。

投稿: ct(MAGIS) | 2007年1月19日 (金) 21時03分

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