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2010年6月19日 (土)

「遠い空の向こうに」

”OCTOBER SKY”(邦題「遠い空の向こうに」)という映画(2004,Universal Studios)を,昨日の放課後,高1生徒の聖書研究会で,生徒と一緒に観た。
NASAのエンジニアであるホーマー・ヒッカム氏の自伝を,ジョー・ジョンストン監督が映画にしたもので,高校時代に炭鉱街に住んでいた主人公のホーマーが,3人の仲間と共に宇宙ロケット打ち上げを夢見て,失敗を繰り返しながらも,諦めずに何度もチャレンジして・・・・(これ以上,書くと映画のストーリーがわかってしまうので,この辺で・・・・・),という,非常に感動的な青春映画であった。一緒に観た高校1年生たち(4人ですが・・・)も,放課後の眠たい時間帯,”一睡もせずに”じっと,小講堂のスクリーンを観ていた。

ストーリーはこれ以上書かないが,私がこの映画の中で,最も気に入った台詞を紹介しておきたい。
この場面,主人公のホーマーは,ある事情があって,一時,ロケットづくりを諦め,高校もやめてしまい,父の仕事である炭鉱夫の仕事を自分も(継ぐつもりで)やっていた。
そんなある日,ホーマーは,高校在籍時代に,いつも味方をしてくれていたミス・ライリーという先生の元を訪ねる。ミス・ライリー(ブリーダ・ライリー)も実在した人物で,その後,31歳の若さで亡くなっている。したがって,ライリーの晩年の言葉である。

ライリー先生は,ロケット打ち上げの夢を頓挫していたホーマーにこんな風に語りかける。

「ホーマー,知ってる?時には他人の言う事を聞いてはいけないの。自分の内なる声を聞くの。あなたは炭鉱マンじゃない。別の人生を設計しているはずよ」(なお,ここで,ライリーは炭鉱マンという職業について蔑視しているのではありません。ホーマーに,”別の人生を設計していること”に気づかせたいのです)。

このライリー先生の言葉をきっかけに,ホーマーは再びロケット打ち上げへの夢へと向かって進むようになります。

もちろん,普段の生活や人間関係の中では,他人の言う事に耳を傾けることは非常に大切なことです。そうすることによって,自分の考えと異なる人とも折り合いをつけて,付き合ったり,一緒にチームを組んで仕事に当たったりします。

しかし,ミス・ライリーがホーマーに言った,「時には他人の言う事を聞いてはいけない」,「自分の内なる声を聞く」もまた,実に大切なことであると思う。

なぜなら,「他人の言う事」は,たとえそれが親しい人の言った事であっても,所詮,他人があなたの一部を知って,あなたを,有限の時間内で見て言った事に過ぎない。それに対して,「自分の内なる声」は,自分さえ知らない,深いところにいる自分。自分さえ立ち入れない,自分の奥深いところ(Still Point)を通して語りかけてくれる,自分を超えた方,超越者からのメッセージだからだ。

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2010年6月17日 (木)

これでおしまい!

中島みゆきさんの「恋唄」という歌の中に,

ありがとうって意味が 
これきりっていう意味だと
最後まで 気がつかなかった

という歌詞がある。とてもせつない歌です。

恋愛をして,最後の別れ話の最中に,「ありがとう」って言われると,「ああ,本当にもうこの人は僕と別れるつもりなんだ」と一気に心に穴が空く。

「ありがとう」って言葉は,普通は言われると嬉しい言葉なのに,恋人の最後の言葉として,聞くのは辛い。感謝の言葉であることには違いないのだが,昨日まで言われていた「ありがとう」とは決定的な違いがある。これまでのことを全部ありがとうという意味。これが最後という意味。これからは,もう,言えなくなりますという意味。

「お礼なんかいいから,そんなことよりも,これからも付き合ってほしい」

そんなふうに思う。
でも,「ありがとう」って言葉で,もうダメなんだってことがわかる。

さて,恋愛場面ではなく(それも含むが),日常場面で,使われる「がんばって」という言葉にも似たような側面がある。

最近はこの言葉「がんばって」を,うつの人に言ってはいけない(一般的にはその通りだけれど,絶対に言ってはいけないわけではない。場合によっては,言ってあげることが必要な場合もある)ということばかりが新聞などによく書いてあるが,うつの人ばかりではなく,普通の日常会話の中でも,別の意味を持っていることに気づく。

何気ない会話の最後にも,「じゃあ,がんばってね」と言って別れることがありますよね。

生徒も「がんばって」と言われると,「あっ,もうこの話,終わりにしなければいけないんだ」と思うらしい。

僕たち教員は,「がんばって」といいながら,知らず知らずに,生徒に対して,「この話は終了」というサインを送っている。

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