« 「遠い空の向こうに」 | トップページ | 「君がいなかったら・・・」 »

2010年7月 4日 (日)

何もできなかった最高の日曜日

Kayama_daiji_2 今日の日曜日は有意義でしたか?

この書き始めを読んで,「全然有意義じゃなかった。何も生産的なことはできなかった」と思われた方も多いのではないでしょうか。

週末を使ってやろうと思っていた部屋の掃除,書類の整理,手紙の返信書き,・・・・・,中には溜まりに溜まった仕事をなんとかやり終えようなんて,金曜の夜辺りには考えていた人もいるのではないでしょうか?
でも,結局,ダラダラと過ごし,ほとんど捗らなかった。あるいは,何もできなかった。
「ああ,なんだか自己嫌悪」
そんな風に考えてしまいがちですよね。
こう書いている私も,ちょっと前までは,休日にはアレをやってコレを済ませて・・・・,なんて考えていました。まあ,今でも,さすがにいろいろなこと(部屋の掃除,書類の整理,先週の仕事のやり残し,・・・・・)が溜まりすぎると,まあ,何か一つくらいは片付けたいなんて思います。でも,だいたいできません。

あるいは,せっかくの日曜日なのに,どこにも遊びに行かれなかった。
だから,有意義な休日ではなかったなどと,はやり,若干落ち込んで考えている方もおられるでしょうね。

休日の過ごし方。
最近,気になっているCMがあります。
それは,佐藤隆太さんが出ている発泡酒のCMです。
ビートルズの♪Ob-La-Di,Ob-La-Da♪がバックに流れ,
発泡酒を持った佐藤隆太さんが,さわやかに叫びます。
「湖」篇と,「草原」篇があり,
http://link.brightcove.co.jp/services/player/bcpid10249703001?bctid=off_mizuumi_15
で,見ることができます。
「湖」篇では,発泡酒を片手に元気よく登場した彼が,

「みなさん,最近堂々と,休んでますかー!」

と叫びます。
「草原」篇では,すこし,ゆったりとした調子であぐらをかいた彼が,やはり発泡酒を片手に,

「せっかくですから,頭を空っぽにしませんか?」

とテレビから語りかけてきます。

私は,このCMを見たときに,香山リカさんの『大事なことは先のばしにしなさい』(2009年,ビジネス社)という本に書かれていた,「精神科医が考える理想的な休日の過ごし方」(70ページ)を思い出しました。

この本の中で香山さんは,「貴重な休みを有意義に」という考えが頭に浮かんだ時点で,もうその休みは休みではなくなっているのだと書いています。(69ページ)

具体的には,目覚ましをかけずに寝たいだけ寝て,布団のなかでダラダラして,お腹が空いてきたらパジャマのままで,冷蔵庫のものを適当に食べて,顔を洗ったりシャワーを浴びるようなことはせず,また布団に戻るもよし,テレビをつけるもよし,ただし真剣に見入ったりはしない。メールのチェックもせず,携帯の着信にもよほどのことじゃないと出ない。
こんな,エネルギーもお金も使わない,要は1日ダラダラするのが精神科医が考える理想的な休日だと書いています。

Morotomi_kodokulesson カウンセラーの諸富祥彦さんも,10年ほど前に『孤独であるためのレッスン』(2000年,NHKブックス)という本の中で,当時流れていた「何もしない,をしよう。自分に戻る列車の旅」というJR東日本のCMのコピーを引用し,これについて,「何もしないこと」を意識的に「する」ことが,「自分に戻るため」に必要であるという論理がうまく組み込まれているとうなっています。

実は,最近とても気になったことがあります。中学生の母親たちの会話の中で,「うちの子は,休みの日に遊びに行っても,気をつかって,クタクタになって帰ってくるんです」という発言があり,それに応えて,別のお母様も,「そうそう,遊びに行って,体力は使っていないのに,気を遣っちゃうのよね」とも仰有っていました。また,別のお母様は「うちの子なんか,日曜日なのに,遊びに行かないから心配よ」と仰有っていました。私は,「いいんですよ。学校で毎日気を遣っているんですから,日曜日はゴロゴロするのが一番」と軽く応えましたが,「そんなで大丈夫ですか?!」とお母さん。

私は,それで本当に大丈夫だと思っています。休みの日はゴロゴロして,自分を取り戻すのが一番だからです。

それと,いろいろな事情があって,長期にわたって,お休みをしなければならない方々もいます。そういう人たちは,余計に焦ったりしますが,とにかく何かをしようとせずにいることが,とても大事だと思います。休みには休むことが大事なのであって,その間に何かブラッシュアップしようなんて考えたら,全然休んでいることにはなりません。このことはとても大事なことです。つまり,何もしないのが休みです。諸富先生が前述の本で引用した昔のCMコピーで言えば,「何もしないことを,することによって,自分を取り戻す」のです。何かをしたところで,益々自分を見失うばかりです。

それから,序でに書いておくと,すごく調子が悪いときは,お祈りもあまりしない方が良いとのことです。ましてや,黙想会などへの参加は,大変危険です。なぜなら,お祈りや黙想はとてもエネルギーのいるプロセスだからです。神様からの呼びかけは祈っていないときに,唐突に心の奥から聞こえてくるというものかもしれません。

さて,最後に,最初に書いた発泡酒のCMのオチを。
実は,「湖」篇,「草原」篇とも,男優さんは,
「offを楽しもーう!!」と叫びます。
”off”が商品名ですからしかたありませんが,ちょっとガッカリです。

offは休みましょう

この週末に,何もできなかったあなた。
それは,実は最高の休日の過ごし方をしたわけですよ。

|

« 「遠い空の向こうに」 | トップページ | 「君がいなかったら・・・」 »

コメント

なるほど、確かに!!
私は基本的に休日に動き回ってしまうタイプですhappy01
でもごくたまに、なんにもせずだらだらと、気の赴くままに過ごしてしまって、主人が帰ってきてから「洗濯も掃除も洗いものも食事もできてない・・・」という休日があります。
そういう日もありなんですね~catface
だらだらした日に落ち込んでいた時、主人から「それが今必要だったから、そういう過ごし方になったんだ」と言われ、ぴんとこなかったことがあったのですが、なんだか理解できた気がします。
ヒントをありがとうございます!!

投稿: ぴかん | 2010年7月 5日 (月) 08時14分

>>ぴかんさん

いつもブログを読んで下さり,また,共感して下さるので,とてもうれしく思います。

>「それが今必要だったから、そういう過ごし方になったんだ」

このように仰有ったご主人。すばらしい方ですね。
ぴかんさんの味方ですねsun

投稿: magis(管理者) | 2010年7月 6日 (火) 00時13分

はじめまして(^-^) 「シェアリングネイチャー」をキーワードにインターネットをぶらついていて、こちらに辿り着きました。
(ネイチャーゲームリーダーです。)

私が最近読んだ本に『スローライフのために「しないこと」』(辻信一、ポプラ社)があります。
 「しないことリストをつくることで、 する から いる へ」 
というメッセージが詰まっている本です。
記事にお書きになっていることと良く似ているなぁと思って、書き込みさせていただきました。

自然の中へいきたい方を案内して、その方が自分自身で いる 時間をもってもらえるような活動をしたいなぁと思っております。

投稿: あっきぃ | 2010年8月 9日 (月) 13時58分

>>あっきぃさん

記事にぴったりの素敵なコメントありがとうございます。
>する から いる
同感です。
私の大好きな言葉に,doingよりもbeing というのがあります。
お互い,ネイチャーゲームのリーダーとして,
自然を通しての人との出会い,自分との出会いをサポートしてまいりましょう。

投稿: magis(管理者) | 2010年8月 9日 (月) 14時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/136539/48800240

この記事へのトラックバック一覧です: 何もできなかった最高の日曜日:

« 「遠い空の向こうに」 | トップページ | 「君がいなかったら・・・」 »