2007年2月15日 (木)

答なんか・・・

勤務校では,高1対象に「ゼミ」という授業が時間割の中にあります。
今は,文部科学省学習指導要領の『総合的学習の時間』の単位にカウントされていますが,
勤務校では,文部科学省が『総合的学習の時間』なんて言い出す前から,実施しています。
私は数学教師ですが,『自分とつきあう』という,なんだか怪しげ(?)なゼミを担当しています。
それはさておき,
それらのゼミの中に『社会のしくみを考える』という,またまた怪しげ(=面白そう!?)な講座があります。
このゼミの一大特徴は,1年間,毎回講師が変わるということです。
講師は卒業生が務めるのですが,原則として,41歳年上のOBが講師としてやってきます。
でもって,今日はたまたま数学の先生がやってきました。
実は私も数学教師なのですが,今日の数学の先生はすごかったです。
何がすごいって数学へののめり込み具合がすごいのです。
なんでそんなことを知っている(同じ時間帯の裏番組授業なのに)のかというと,
この『社会のしくみを考える』という講座だけは,
放課後に,ほぼ同一内容で,中一から高三まで自由参加のオプションコースがあるのです。
通称『OBゼミ』といいます。
私は今日,それに出てきたのです。

さて,そこで講師の先生がこんなことを言っていました。

「正しいとわかっていることを学ぶのはつまらない。
寧ろ,正しいかどうかわからないことを考えるのが面白い。

つまり,正しいことが証明できるのか,
それとも,正しくないことを立証する例(反例といいます)があるのかを探ることが面白い」

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2007年1月15日 (月)

答を教えては解決にならない

私は長年数学の教師をしています。
若い生徒たちは大変に優秀です。
中高生ですから,脳細胞の量も質も私よりずっといいわけです。
しかし,潜在能力は持っているのでしょうが,結局開花できずに,卒業を迎える生徒も見かけます。

私の勤務校は,入学時の(いわゆる)成績でいえば非常に高い生徒が揃っています。
しかし,入学後の数学(他科目もそうなのでしょうが)の力には開きが出てきます。
それは,勤勉さや努力の度合いにも非常に関係しますが,
もう一つ,取り組み姿勢にも関連性があると思います。

現在の勤務校にはほとんどいないのですが,
「で,先生,結局,答はどうなるの?」という姿勢で取り組んで来る生徒の数学の力は,まずつきません。

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2007年1月 4日 (木)

割り切れないけれど・・・

任意の2つの自然数(1,2,3,・・・のことです。日本の中学校の教科書によれば)を選んだとき,一方が他方で割り切れることは,圧倒的に少ないのは当たり前ですよね。たとえば,16と3を選べば,「16÷3=5余り1」となるわけです。18と9とか,100と25のように,たまたま,商が整数になり,余りがでないことの方が,ある意味で(大袈裟に言えば)「奇跡的」なわけです。なぜなら,自然数は無限に存在するのですから・・・。無限に存在する自然数から,任意の(かってな)自然数を2つエイっと選び出したとき,それらの一方が他方を割り切ることなんて,ほとんど期待できないわけです。なんか珍しく数学の先生みたいな(といっても私の職業は数学教師ですが)話をしていますが,ここから書くことはあまり数学と関係ありません。

元旦のブログは,元旦に相応しくなく「コンプレックス」なんてタイトルで書きました。
でも,実はいろいろ考えて,そのタイトルにしました。
その中で,哲学者の中島義道氏の著書『英語コンプレックス脱出』(NTT出版 2004年)から,少し引用しましたが,この本は,比較的平易ながら中身がとても濃い本です。その濃い中身を一言で総括しますと,英語コンプレックスは,人間の持つコンプレックスの一つの露呈のしかたであるということが書かれています。他の何か(英語そのものの場合も含む)に対するコンプレックスの一つの表れであるというのです。中島義道氏は,この本の本文230ページのうち,なんと220ページも費やして,このことを,非常に多くの「日本人論」(多くは新書のような一般向けの本)を年代別に,あるいは系統わけすることによって,読者に説得しています。というか,つじつまを合わせていると言った方が良いかもしれません。しかし,これはけっしてこの本に対する悪口を書いているのではありません。そもそも一般向けの評論とはそういうことをすることだと思います。

そして,残り10ページで,中島氏は,そのコンプレックス一般を解消する「生き方」を非常に簡潔に五つに整理しています。(221ページ)

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2006年1月19日 (木)

シスター江角ヤス

私はカトリックの中高一貫校で数学の教師をしているカトリック信者ですが,全国のカトリック学校には,数学を教えているシスターもおられます。尤もその数は英語や国語に較べるとかなり少なく,当然シスターですから女子校の教壇に立っておられる方が多いです。
ところで,純心学園というカトリック学校があります。この学校は,数少ない「国産の修道会による」カトリック学校です。現在は,長崎,鹿児島,東京で学校を経営しています。その純心学園の創立者・江角ヤス先生は数学がご専門でした。(大矢正則 記)

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2005年12月13日 (火)

アサーション・トレーニング

(大矢正則・記)
先日,保護者面談中で,あるお母様にアサーション・トレーニングについてお話しさせていただいた。そのお母様はお子さんのコミュニケーション能力を養いたいと仰られたからだ。

以前,「セルフエスティーム&ストレスマネジメントスキル」(11月25日)の項でライフスキルとして,第一に必要なのが,自尊感情,自己肯定感(=セルフエスティーム)であると書いた。その上に,人間関係を損なうことなく上手に自分の考えを伝えたり,聴いたりする技能・能力(=コミュニケーションスキル) が形成されると書いたが,実はこの二つのスキルは表裏一体をなしている。セルフエスティームの豊かな人は他人と上手にコミュニケーションを持てるが,セルフエスティームが乏しいと他人ともなかなかうまくやっていけず,孤立しがちになる。

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2005年10月 6日 (木)

数学オリンピックこぼれ話

今年の数学オリンピック。日本選手団の総合成績は,参加91ヶ国中8位といういう輝かしいものだった。数学オリンピックは毎年開催されていて,日本は1990年に北京で開催された第31回IMO(International Mathematical Olympiad。国際数学オリンピック)から16年間参加してきて,8位が最高位で,1992年と2004年と今年の3度ある。2003年には日本で開催されたが,このときは9位であった。今年の開催国はメキシコであったが,1位から7位までの国は,順に中国,アメリカ,ロシア,イラン,韓国,ルーマニア,台湾であった。中国は昨年に引き続きV2を達成したが,日本が参加するようになったこの16年間で,この実に11回も総合成績で1位に輝いている。また,アジアのもう一つの大国であり,数学史の上でも欠かせない国であるインドは,意外と振るわず,2001年の7位以降順位を下げ,今年はとうとう20位にも入らなかった。一方,アジアの中では特筆すべきはベトナムで,1998年以降,9位,3位,5位,10位,5位,4位,4位と上げてきたが,今回は15位まで下がってしまった。

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2005年9月29日 (木)

同様に確からしい

050929昨日の高2の授業での話である。
一般に,試行(実験や観測)Sを行うとき,起こりうるすべての場合がn通り考えられ,どの場合の起こる可能性も同程度に期待できる(=equally probable。これは「同様に確からしい」と訳される)ものとする。そのうち,特定の事象(結果のこと。たとえば,「さいころを投げる」という試行の場合,「1の目が出る」,「2の目がでる」,あるいは,「3以下の目が出る」などを事象という。)Aが起こる場合が,このn通りのうちa通りあるとき,試行Sを行うときの,事象Aの起こる確率はa÷nであると定義する。
この定義を紹介した後,次のような問題を出した。

図のような道に沿ってPからQまで,遠回りせずに(つまり上か右にしか進まずに)行くとき,Tを通る確率を求めたい。ただし,右にも上にも進むことのできる点でどちらに進むかは半々(2分の1の確率)であるとする。

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2005年9月13日 (火)

中2代数の授業にて

jugyou 今日は授業中のエピソードを一つ書きます。中2の代数の授業,今日の小単元は「多項式の乗法」。たとえば,われわれが使っている昇龍堂の「新Aクラス中学代数問題集」には,例題として,(2-3)(^2+2-5)程度の問題が載っている。なおここで,^2は2乗のことです。(例えば,x^2はxの2乗のこと。3乗以上も同様に,^3などと記す) このあたりは,特に何か公式のようなものを知らなくても,一つずつ掛け合わせていけば済むので,例えば,この例題の場合,項数が2個の多項式と,項数が3個の多項式の積だから,2×3で6項に展開され,同類項をまとめ,2^3+^2-16+15という答を得ることができす。したがって,そんなに時間は配当せず,例題程度と,それより少し複雑な計算問題をさせて,次の「乗法公式」の小単元へ進もうと思っていた。

ところが,・・・

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