2009年2月15日 (日)

今,あなたを,愛する

13世紀,ドイツのエックハルトという神学者は,仲間達から3つの質問を受けたそうです。

(1)1日の中で一番大切な時間はいつですか?

(2)人生の中で一番大切な人は誰ですか?

(3)人生の中で一番大切なことは何ですか?

どう答えたと思われますか。

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2009年1月 3日 (土)

正直者がホームレスになる

M君
毛布が必要か,必要でないか。本人の意思を聴き尊重することが大切だと思う。
(そうだよな。僕なんかついつい自分の価値観で考えてしまうよ。これって相手を大事にしていないってことだよね)

F君
「ありがとう」と言われて嬉しかった。ここにいるかいないか(野宿者となるかならないか)は,自分のせいとかではなく,運・不運ということだと思う。でも,やっぱり,この状況はおかしいと思う。
(そうそう,「ありがとう」って言われると,「ああ,俺なんかでも人の役に立てるんだ」って思えるよな。あと,「おかしい」と思える感覚は大事だよ。その感性を大切にして)

S1君
人としてのレベルはここにいる人の方が他の人より上だと思う。あと,(ガソリンを浴びせて火を点けるなど)少年の集団での襲撃はあまりにひどいことだと思う。
(人としてのレベルか~。ここにいる人たちは上品に生きているってことかな)

T君
線路の向こうは通天閣とかある新世界。あまりにも境界がハッキリしすぎている。
(うん。明らかにここは行政によって作られた街だな)

S2君
交番の前にひどい怪我をした人が転がっていたのに放って置かれていた。ここでは警察は弱い者の味方ではなかった。

(確かにここの警察官は,おっちゃん達が人からもらった自転車に乗っているだけでしつこく「お前のか」って聞くのに,博打や売春に対しては熱心じゃあなかったなあ。みんなが悪い警官とは思いたくないけど・・・)

A君
ここにいる人たちは,政治的に過激だなあと思った。

(自分たちがこんな目にあっているんだもの。政治に恨みを持つよなあ)

H君
夜回りをするということは,寝ている人を起こすということなのだけれど,そんな悪い環境の中でも,おっちゃん達は笑顔を見せてくれる。
(笑顔は相手を元気にするよね。やっぱりここでは僕たちの方が元気をもらっている)

O君
正直者がホームレスになるのかなあ。
(確かに,ここのおっちゃん達は,クソ真面目だよね。一緒に炊き出しとかしていると,皿の洗い方ひとつ取ったって,きっちりと流儀が決まっていて妥協しない。悪くいえば融通が利かないねぇ。だから,たまに仕事にありつけると極限まで働いちゃうらしいよ。使う側にとっては重宝だね。でも,要らなくなったら捨てられてしまう)

K君
世間一般に伝わっていることは真実ではない。
(その通りだね。「言わない嘘」って言葉があるよね。日比谷公園の派遣テント村には300人が集まったそう。でも,ここの場合,大阪南港の臨泊に1300人。そこにも行かない人が,こうやって野宿生活している。派遣村ではコンロが不足しているって報道されていたけれど,ここでは,コンロはあり得ないね。僕たちが参加した炊き出しだって,燃料は廃材だったものなあ)

Y君
自分は愚かでした。無知でした。なめてました。これからは本気で取り組まなければ。これが研修なんかでいいのかなあ。迷惑なんじゃないかなあ。自分の中では変化したが,自分が変わったところで,世の中が変わってくれる訳じゃあないから,どうすればいいのかわからない。
(君の気づきや変化こそが明日の世界を変えると僕は思う)

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2007年1月 5日 (金)

青くなって尻込みましょう

教師という仕事柄,年賀状をいただく枚数は多い方だと思う。
教え子や卒業生からも送られてくるが,
多くの教員や元教員と年賀状の遣り取りがある。

「教え子を戦場へ送るな。教育基本法・憲法改正反対」

教員仲間や先輩教員からの葉書の隅っこの方に,こんなメッセージが印刷された年賀状が届いていたのは,2,3年前からであった。

残念ながら,今年の年賀状で「教育基本法改正反対」と書いてあるものは一通もなかった。後の祭となってしまったわけだから。

「すべての人の平和を願い
戦争をしない・軍隊を持たない
こんな憲法9条を世界の宝に」
(ピース9の会)

カトリックの,ある修道会の総長をされているシスターからの年賀状の下の方には,
このような印刷がされていた。
このシスターからは,もう10年以上も年賀状をいただいているが,
昨年までは,修道会が独自に作った,いわゆる修道会的な,
(つまり,マリア様やイエス様の肖像が画かれ,キリスト教用語が必ず入った)年賀状が届いていた。これはこれでとても趣があった。
しかし,今年は,このシスター(大変国際感覚に優れた方です)から,「憲法9条を世界の宝に」というメッセージ入りの年賀状が届いた。
やっぱり世の中エラいことになってきてしまったのだと思う。

もう一つ紹介したい。

「最近の世の中の動きには不安を感じることが多くなりました。
教育に携わる者の一人として,
自分のできることに力を尽くしていきたいと思っています」

こう年賀状の真ん中に印刷してきた彼(先輩)とは,昨年,生徒を引率して,被爆地長崎を訪れた。(なお,この訪問の折には,アジア太平洋戦争における日本の加害責任についても,同行した神父様が生徒に説いてくださいました。)

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2006年10月29日 (日)

「違い」

061029 イスラム圏の女性はブルカというかぶり物をまとっています。
イスラム諸国は暑い国が多いので,しばしば,
「あんなものをまとって暑かろうに。
早く自由主義やデモクラシーの時代が来れば良いのに。
そうすれば,あの女性たちも解放される」

と思ってしまいがちです。

しかし,この考えには大きな見落としがあります。
それは文化的背景の相違ということです。

ブルカはイスラムの女性にとって,単に外出着なのです。
これは単に,文化の「違い」に過ぎません。
ペシャワール会の医師中村哲氏によれば,
これを女性への抑圧だというのは,
突然やってきた外国人が,江戸時代の町を歩いている女性たちを見て,
こんなに太い布のベルトで何重にもぐるぐる巻きにするのは野蛮な習慣である
というのに等しいといいます。
(岩波ブックレットNo.673『アフガニスタンで考える』p.23参照)

私は,昨日,生活者大学校鎌倉分校が主催し,
北鎌倉の円覚寺塔頭・白雲庵で行われた
中村哲氏の現地報告会を聞きにいってきました。
その話を伺いながら次のようなことに改めて気付かされました。

私は,様々な「違い」を,善悪や優劣と考えがちではないか。

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2006年10月18日 (水)

はがれかけた鱗

061018 「1発も弾を撃たずイラクでの人道復興支援活動を完遂し、全員が無事帰国できてうれしい」
この言葉は,ある日本人が,約3ヶ月前に口にした言葉です。「戦死者ゼロ」とも報道されました。
私はとても驚いてしまったのですが,このことをリアルタイムでブログに書くことを躊躇しました。
なぜ,躊躇したのか。その答を,ある著書の中に発見しました。

日本のような国で流れに逆らってものを考え生きていくことは,とてもエネルギーを必要とする(高橋哲哉・斎藤貴男『平和と平等をあきらめない』晶文社 2004年 p.130)

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2006年10月16日 (月)

『僕たちの戦争』

いま,担当している高1ゼミナール『自分とつきあう』という講座で,V.フランクルの『夜と霧』を読んでいます。囚人となった精神科医(著者)が内部から見た強制収容所体験記としてあまりにも有名な本です。この本は,アメリカ国内で数年前に実施された「100年後にも読み継がれて欲しい本ベスト100」の中で,7位にランクされているそうです。1位はもちろん聖書ですが,心理学・精神医学医関係の本では,この本が最高位だそうです。この本を読まれた方は納得すると思います。このブログを書いているのは自宅で,テキスト(本)は学校にあるため,正確な引用はできないのですが,その本の中に,(アウシュビッツ強制収容所のような)異常な状況に置かれた場合,異常な反応を示すのが正常なことであると書かれていました。

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2006年8月 9日 (水)

「人間は、いったい何をしているのか」

「人間は,いったい何をしているのか」
これは,61年目の長崎被爆の日である今日,長崎市の伊藤市長が発表した平和宣言の最初の言葉です。
今なお,3万発もの核を所有する全世界へ向けた怒りのメッセージです。
さらに,この後,「被爆から61年目を迎えた今,ここ長崎では怒りといらだちの声が渦巻いています」と続きます。長崎市のホームぺージに全文が掲載されています

私は,今月の1日から4日まで,生徒を引率して長崎巡礼に行ってきました。テーマは「キリシタン弾圧と殉教」と「原爆惨禍のキリスト教信仰」。それらを信仰・平和教育で貫いて実施いたしました。

4日間の巡礼旅行中,最も生徒に響いたのは,原爆ホームで聴いた被爆者の体験談でした。人生を決定づけてしまった被爆という心身の深い傷について,その方は,詰まりながらポツリポツリと話して下さいました。話して下さった内容よりも,話して下さっている姿に,また,話して下さったこと自体に生徒たちは心の耳を傾けました。その方のメッセージはたった一つ。「もう戦争はしないでね。戦争はやめてね」

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2006年6月23日 (金)

『福音的視点から』

Kenpou_1 今日のブログのタイトルは,これから紹介する冊子のサブタイトルです。
その冊子とは,『憲法・教育基本法改定を考える』という一見政治色の強いタイトルのついた小冊子です。
ただし,サブタイトルとして,---福音的視点から---と付いています。
福音とは,イエス・キリストのよきメッセージですから,この小冊子では,
憲法および教育基本法の改定問題を政治的視点からではなく,
イエスが教える神の国の福音のメッセージに照らし併せて考察しようという試みがなされています。

執筆はイエズス会社会使徒職委員会内の「憲法・教育基本法改定に関するタスクチーム」の4人の神父様方です。印刷・発行はイエズス会社会司牧センターです。

この小冊子には,憲法や教育基本法改定の動きの中に現れている問題点が中心に記載されています。しかし,イエズス会内の「タスクチーム」が作成した物でありますから,日本のカトリック教会の公式見解ではありません。それどころか,小冊子「はじめに」には,イエズス会日本管区の公式見解でもないとことわられています。(p.3)

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2006年3月15日 (水)

敵から自分を守ろうとしないで・・・

060315 バーナード・ベンソン著『平和の本』の邦訳はすでに絶版で現在入手が困難な本である。1984年にYMCA出版から発売された。私の手元にあるのは第1刷だが,その後,いつ頃入手困難になったのかよく分からないが,最近までたまにキリスト教関連書店で見かけたような気もする。

この中に次のような場面が出てくるが,私はこれを読んだ1985年以来,ずっと覚えている。(119ページ)

一人の少年が大国の大統領に次のように言う。「平和がずっとつづく秘訣がいったいなんだか知りたくありませんか,大統領?・・・

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2006年3月 8日 (水)

ミスプリント

060308 数日前に,今年の夏に行う「長崎巡礼旅行」のご案内プリントを配布しました。左の写真が実物です。挨拶文のあと文面は以下のように続きます。

日頃より本校の宗教活動にご理解をいただき,あらためて感謝申し上げます。
さて,長崎巡礼旅行はここ数年の間,隔年実施が恒例化しており,その年度の中3生と高1生が参加対象となります。隔年行事ですので,参加の機会は一度です。来年度が実施年度に当たり,概ね以下の要領で計画を進めております。
ご存じの通り長崎地方は,16世紀のキリスト教伝来以降,様々な歴史を刻んでまいりました。キリシタンへの弾圧,殉教,そして潜伏信徒の発見。さらには,被爆。そうした独特の歴史を踏まえ,今日,長崎は世界に向けて平和への祈りとメッセージを発信する地となりました。このような地方を訪れ,見聞を広めることは,○○学園の土台でもあるキリスト教理解と,平和の尊さを学ぶのに大変に意義深いことであると思います。何卒,趣旨ご理解の上,ご子息を参加させていただきますよう,ご案内申し上げます。聖研に参加している生徒はもちろん,普段は聖研に参加していない生徒の参加も大いに歓迎します。(以下は,左写真をクリックして見て下さい)

ところで,このプリント中に,大ミスがありました。学校長名で出している文書ですが,校務分掌の関係で私が作成しました。印刷前に,私を含め複数教員で目を通したのですが・・・。嗚呼,恥ずかしい。

今のところ,このミスに気づいた生徒は約360名中,2名です。責任上,上司の先生3人にこのミスを報告したのですが,全員が「プッ」と吹き出した後,「まあ,いいでしょう」と許して下さっていますが・・・。なんとも笑ってしまうくらいアホなミスです。

写真をクリックしてミスを探してみて下さい。ちょっとヒントみたいなことを言いますと,間違えに気づいた生徒は,「これじゃぁ畏れおおくて申し込めないよ~」と大爆笑していました。また,ある先生は「さすが長崎巡礼,申し込み時に踏み絵を踏ませるとは」と凄いことを言っていました。

本当に生徒とご家庭の皆様(あとイエス様),ごめんなさい。でも,多くの生徒諸君の参加を望んでいます。

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